一般建設業許可の取得に必要な専任技術者の要件には、以下の3パターンがあります。
許可を受けようとする建設業種に関して、
1.検定種目等に合格し、国家資格等を保有している者
2.高校卒業後5年以上又は、大学・高専卒業後3年以上の実務経験があり、指定学科を修めた者
3.10年以上の実務経験がある者
この3つ目の実務経験の要件は、基本的に、1人で2業種の専任技術者になるには、それぞれの業種で10年の実務経験が必要で、1つの業種で証明した期間は、他の業種の期間としてカウントできません。
(平成28年5月31日までに とび・土工工事業許可で請け負った解体工事の実務経験は、とび・土工工事業と解体工事業の両方の実務経験としてカウントできる特例があります)
しかし、最短12年の経験で、2つの業種の専任技術者となることができる緩和措置があります。
実務経験の要件が緩和される業種
許可を受けようとする業種の8年間の実務経験と、その他の業種の実務経験を合わせて12年以上の経験があれば、専任技術者の資格を得ることができます。
許可を受けようとする業種 | 必要な実務経験年数 | 振替できる業種 | 必要合算年数 |
---|---|---|---|
とび・土工、しゅんせつ、水道施設、解体 | 8年 | 土木一式 | 12年 |
大工、屋根、内装仕上、ガラス、熱絶縁、解体 | 8年 | 建築一式 | 12年 |
とび・土工 | 8年 | 解体 | 12年 |
解体 | 8年 | とび・土工 | 12年 |
大工 | 8年 | 内装仕上 | 12年 |
内装仕上 | 8年 | 大工 | 12年 |
要件緩和の例を記載します。
・しゅんせつの実務経験8年、土木一式の実務経験10年がある場合
土木一式の実務経験4年を振り返ることにより、しゅんせつの実務経験8年で専任技術者となることができます。
・大工の実務経験8年、内装仕上の実務経験8年がある場合
大工と内装仕上の2業種の専任技術者となることができます。
技術検定1次検定合格者の実務経験の要件緩和
1級の第1次検定合格者は、大学指定学科卒業者と同等と、2級の第1次検定合格者を高校指定学科卒業者と同等と、それぞれみなされます。
大学、高校、専門学校で指定学科を修了していないと、専任技術者になるには、実務経験が10年以上必要でしたが、技士補や技士となることで、5年や3年の実務経験があれば、専任技術者になれるようになります。
一般建設業許可の営業所専任技術者要件の緩和だけではなく、指定建設業は除いて、
・特定建設業許可の営業所専任技術者要件
・建設工事において配置する主任技術者・監理技術者 も同様の扱いとなります。
見直し後の実務経験による技術者資格要件は以下のようになります。
学歴等 | 実務経験 | |
---|---|---|
学歴 | 大学、短大等(指定学科) | 卒業後3年 |
高等学校(指定学科)) | 卒業後5年 | |
技士補 技士 | 1級1次検定合格(技術検定種目) | 合格後3年※ |
2級1次検定合格(技術検定種目) | 合格後5年※ | |
上記以外 | 10年 |
※指定建設業(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)と電気通信工事業は対象外
技術検定種目と対応する指定学科は、以下のものです。
技術検定種目 | 同等とみなす指定学科 |
---|---|
土木施工管理、造園施工管理 | 土木工学 |
建築施工管理 | 建築学 |
電気工事施工管理 | 電気工学 |
管工事施工管理 | 機械工学 |
例えば、機械器具設置工事業における見直し前後は次のようになります。
一般建設業許可の専任技術者または主任技術者の場合
見直し前 | 建築学、機械工学、電気工学に関する学科(指定学科)の卒業者以外は10年の実務経験が必要 |
見直し後 | 指定学科の卒業者以外であっても、建築・電気工事・管工事施工管理技術検定(第一次検定)の合格により、合格後3年(1級)又は5年(2級)に短縮可能 |