ジョイントベンチャー(共同企業体)「略して、JV」とは、
複数の建設業者が、一つの建設工事を受注・施工することを目的に形成する事業組織体です。
施工方式の種類とその問題点
施工方式に応じて、共同施工方式と分担施工方式があります。
共同施工方式
JVを構成する建設業者が共同で施工する方式です。
施工において、建設着業者の境界がないため、外観からは、複数の建設業者を区別することが難しく、指揮命令系統・責任体制が曖昧となる恐れがあり、工事現場におけるトラブル発生時の責任者を明確にするために、事業者のうち一人を代表者として定め、都道府県労働局長へ届け出なければなりません。(労働安全衛生法5条1項に基づく)
原則として、法人代表責任者が代表者となります。
例外として、広範囲にわたる職務権限が支店長や支社長に委ねれれている場合は、その支店長等が代表者になることも可能です。
代表者の届出の手続き
届出に関する仕事の開始日の14日前までに「共同企業体代表者(変更)届」書面を工事現場を管轄する労働基準監督署長を経由して、都道府県労働局長に提出します。
「共同企業体代表者(変更)届」には、事業の種類・共同企業体の名称・主たる事務所の所在地・発注者名・請負金額・工事の概要・工事期間・代表者名などを記載します。
(代表者の選定・届出がない場合は、都道府県労働局長が代表者を指名します)
分担施工方式
複数の建設業者が工区や工種別に分担して施工する方式で、建設業者それぞれが独立した責任体制を取るものです。
共同企業体の形態
特定建設工事共同企業体(特定JV)
大規模かつ技術難度の高い工事の施工に際して、技術力等を結集することにより工事の安定的施工を確保する場合等工事の規模・性格等に照らし、共同企業体による施工が必要と認められる場合に工事毎に結成する共同企業体です。
工事を受注した場合、特定建設工事共同企業体は、工事完了後の請負代金請求まで存続します。
公共工事を受注する場合、各工事の発注に関する公告の時点で、発注機関に共同体の結成を届出ます。
国土交通省が公表している「共同企業体の在り方について」によると、
各構成員の出資比率は、2社の場合は最低30%、3社の場合は最低20%とされています。
(最も出資比率の多い企業が感じ会社となり、工事受注・施工を主導します)
経常建設共同企業体(経常JV)
中小・中堅建設企業が継続的な協業関係を確保することにより、その経営力・施工力を強化する目的で結成する共同企業体であり、単体企業と同様、発注機関の入札参加資格審査申請時(原則年度当初)に経常JVとして結成し、一定期間、有資格業者として登録されます。
企業規模の小さい建設業者がJVを組織することで、単体企業では受注が難しい規模の大きい工事の受注を目指しますが、近年、地方自治体の入札方法の多様化などにより、経常JVによる組織規模拡大が、受注機会の増大にはつながりにくいようです。
地域維持型建設共同企業体(地域維持型JV)
地域の維持管理に不可欠な事業につき、継続的な協業関係を確保することによりその実施体制の安定確保を図る目的で結成する共同企業体です。発注機関の入札参加資格申請時又は随時に地域維持型JVとして結成し、一定期間、有資格業者として登録されます。
復旧・復興建設工事共同企業体(復旧・復興JV)
大規模災害からの円滑かつ迅速な復旧・復興を図るため、技術者・技能者の不足や建設工事需要の急増等への対応として、地域に精通している被災地域の地元の建設企業の施工力を強化する目的で結成する共同企業体です。発注機関の入札参加資格申請時又は随時に復旧・復興JVとして結成し、一定期間、有資格業者として登録されます。
甲型JVと乙型JV
甲型JV
一つの工事について、予め定めた出資割合に応じて、各構成員が資金・人員・機械等を搬出して共同施工する方式です。
損益計算については、共同体として会計単位を設けて、合同で行います。
利益金や欠損金も含めて、各構成員への帰属は、出資率に応じたものとなります。
乙型JV
共同企業体の請け負った工事を複数の工区に分割し、各構成員が分担する工区を責任をもって施工する方式です。
工区ごとの責任体制ではありますが、最終的には他の構成員の施工した工事についても、連帯責任を負います。
そのため、構成員のうちに、利益を上げた者と損失が生じた者が発生する恐れがあります。
尚、利益金や欠損金の配分についても構成員毎になります。