経営業務の管理責任者が交代する時は、変更届が必要です。

経営業務の管理責任者が交代するのは、「経営業務の管理責任者である役員が退任・辞任するとき」や「経営業務の管理責任者が死亡したとき」などの場合です。

経営業務の管理責任者が交代する場合、経営業務の管理責任者が不在の期間があってはいけません。経営業務の管理責任者が不在になると建設業法違反となります。(建設業を廃業することになります)

法人であれば、経営業務の管理責任者となることのできる(または、5年後になれる)役員を2名以上置いておくと建設業許可の維持が容易です。
(個人の場合の経営業務の管理責任者の交代は、事業譲渡や相続となることが多く、その場合は、「認可」という制度を利用することも可能です)

経営業務の管理責任者が交代時する時の変更届

経営業務の管理責任者が交代する場合、必ず提出しなければならない書類に加えて、
・役員として届け出ていない人が新たに経営業務の管理責任者になる場合
・元の経営業務の管理責任者が辞任、退任する場合
には、それぞれ追加で必要な書類があります。

必要な書類の一覧

必須書類役員として届け出ていない人が
新たに経管になる場合の追加書類
元の経管が辞任・退任する
場合の追加書類
変更届表紙●※
変更届(第一面)●※
役員等の一覧表(様式第1号別紙)
常勤役員等証明書(様式第7号)
常勤役員等略歴書(様式第7号別紙)
登記されていないことの証明書
市町村の長の証明書
商業登記簿謄本
経営経験の確認書類
常勤性の確認書類

※元の経管が代表者で、代表も退任する場合、変更届表紙や変更届(第一面)等に「代表者の変更がある」ことも記載しなければなりません。

経営業務の管理責任者が交代時する時の変更届の記入例

大阪府知事許可で経営業務の管理責任者が以下のような交代となる場合での変更届の記入例を示します。
●申請会社の役員ではなかった人が新たな経営業務の管理責任者になる
 経営経験:建設業許可のある建設業の会社(申請会社とは別会社)で役員として5年以上
      (かつ、役員在任期間は、継続して建設業許可が有効)
●元の経営業務の管理責任者が代表取締役で、代表を退任する
●新たな経営業務管理責任者が、代表取締役に就任する

会社名株式会社大阪本町建設
本店所在地大阪市中央区瓦町3丁目3番16号
代表取締役大阪 元一 退任(所有株数:500株)⇒ 大阪 新ニ 就任(所有株数:500株)
経営業務の管理責任者大阪 元一 ⇒ 大阪 新二

変更届表紙

①現在有効な許可の許可年月日を記入
(業種追加で許可日が複数ある場合は、最も古い許可年月日を記入)

②届出事項に〇を記入

・「9 経管等」は、必ず〇

・役員として届け出ていない人が新たに経営業務の管理責任者になる場合は、「4 法人役員」に〇

・元の経営業務の管理責任者が代表者で、代表も辞任、退任する場合、
「4-2 法人代表者」も〇

※副本も同じ内容で記入

変更届(第一面)

「(4)役員等の氏名」に〇

①届出先を記入
 不要な部分は、取り消し線を記入

②届出者の住所、法人名、代表者氏名を記入

③現在有効な許可の許可年月日を記入
(業種追加で許可日が複数ある場合は、最も古い許可年月日)

④国税庁から指定された法人番号を記入
(商業登記簿謄本に会社法人番号(12桁)の前に1桁の検査用番号を加えた13桁の番号)

⑤経営業務の管理責任者が交代するので、以下を記入
 届出事項:常勤役員等経営業務に監理責任者
 変更前:現経管氏名、変更後:新経管氏名
 変更年月日:変更日、備考:交代

⑥役員として届け出ていない人が新たに経営業務の管理責任者になる場合、
 届出事項:役員等の氏名、変更前:ー、
 変更後:新経管氏名、変更年月日:変更日、備考:就任

⑦元の経営業務の管理責任者が辞任、退任する場合、
 届出事項:役員等の氏名、変更前:現経管氏名、
 変更後:ー、変更年月日:変更日、備考:退任

⑧元の経営業務の管理責任者が代表者で、代表も辞任、退任する場合、
 届出事項:代表者、変更前:現経管氏名、
 変更後:新経管氏名、変更年月日:変更日、
 備考:代表取締役

⑨元代表者の株を、新代表が引き受ける場合、
 届出事項:株主者、変更前:現経管氏名、
 変更後:新経管氏名、変更年月日:変更日、
 備考:(空欄)

⑩代表者が変わる(⑧)場合、新しい代表者のフリガナと氏名

役員等の一覧表(様式第1号別紙)

代表取締役以外に役員や株主等がいる場合は、追加します。

記載しなければならない役職者は
・株式会社:取締役
・有限会社:取締役
・合名・合資・合同会社:業務を執行する社員
・組合:理事
・委員会設置会社:執行役
・その他:顧問、相談役、株主等※

※株主等:
総株主の議決権の100分の5以上を有する株主、出資総額の100分の5以上に相当する出資をしている者

①役員等氏名とフリガナ
②代表取締役、取締役、顧問、株主等などの役名等
③常勤・被常勤の別
(株主等は、常勤・非常勤は記入不要)

常勤役員等証明書(様式第7号)

①法人の役員又は、個人事業主の経験の場合(1)
 執行役の経験の場合、(2)
 補佐経験の場合、(3)

②証明する経営経験での役職名、経験年数、証明者と被証明者との関係
※経験年数と③証明者は、常勤役員等略歴書(様式第7号別紙)と相違がないようにします

③申請者の経営経験を証明する者(法人)として、申請者が役員だった会社(申請する会社とは別)の住所、法人名、代表者名

④法人の役員又は、個人事業主の経験の場合(1)
 執行役の経験の場合、(2)
 補佐経験の場合、(3)

⑤申請者自身の住所、法人名、証明される氏名
⑥申請の区分は、変更(2)
⑦変更年月日
 商業登記簿謄本の役員就任日と合致すること

⑧現在有効な許可の許可年月日を記入
(業種追加で許可日が複数ある場合は、最も古い許可年月日)

⑨新たに経営業務の管理責任者となる者のフリガナ、氏名、生年月日、住所
⑩元の経営業務の管理責任者の氏名、生年月日

常勤役員等略歴書(様式第7号別紙)

①新に経営業務の管理責任者となる者の現住所(住民票の住所)、氏名、生年月日、職名

②建設業に関する職歴はすべて記載し、常勤役員等証明書(様式第7号)と相違がないようにします。

③賞罰には、行政処分、刑事罰等も記載
 賞罰がない場合は、必ず「なし」と記入

④記名する

経営経験の確認書類

建設業の経営経験が5年以上あるなどを証明する書類が必要です。

記載例の新に経営業務の管理責任者となる者は、有効な建設業許可がある法人の役員として5年以上の経験があるため、経営経験を以下の書類で証明します。
①経営経験年数分の建設業許可通知書
②直近に決算変更届の表紙(受付印あり)
③役員としての経験年数分の商業登記簿謄本(閉鎖謄本添付)

常勤性の確認書類

経営業務の管理責任者は、常勤でなければなりません。
常勤していることを証明する書類が必要です。

経営業務の管理責任者に就任した日(変更日)から届出日までの常勤性を証明しなければなりません。

記載例の新に経営業務の管理責任者となる者の常勤性を以下の書類で証明します。
①健康保険被保険者証(届出時に有効なもの)
②直近の件恋保険被保険者標準報酬決定通知書

経営業務管理責任者が亡くなったとき

経営業務管理責任者が亡くなったときは、速やかに新たな経営業務管理責任者が就任しなければなりません。

新たに経営業務管理責任者に就任する人が、以前から役員である場合は、上記に解説している変更届を提出してください。

新たに経営業務管理責任者に就任する人が、役員ではなかった場合は、役員就任登記をした上で、上記に解説している変更届をを提出してください。

変更日と(登記簿の)役員就任日は、元の経営業務管理責任者が亡くなった日と同日でなければなりません。