11/1に大阪府の建設業許可申請・変更届の手引きが改訂され、専任技術者の実務経験証明書(様式第9号)の書き方が、変わりました。

実務経験証明証書を記載する時のポイント

1.通年にわたり建設工事の経験がある場合

①その年の代表的な工事名を記入し、その他の工事を「他○件」として、一年分を一行にまとめて記入します。

②通年の開始月・終了月は、自由に選べます。
 (例:平成15年4月~平成16年3月(法人の事業年度))
 ※実務経験を積み上げる最初の工事がある月(始期)の工事の実績を証明する必要があるため、
  実務経験期間の開始月(始期)の工事の確認書類を必ず用意してください。

③各年の代表的な工事は、その前年の代表的な工事から間隔が1年以上にならないようにします。
 各年の代表的な工事の確認書類(契約書、注文書、請求書、内訳書等)が必要です。
 ※実務経験の積上げは、片落ち計算となることに注意しなければなりません。
 間隔が1年以上となる例:
  平成15年の代表工事の完工月:9月(片落としで8月までとなる) 
  → 平成16年の代表工事の着工月:9月(平成15年8月から1年以上空いてしまいます)

④実務経験の積み上げは、満年数分が必要です。
 経験とする最後の工事がある月(終期)の工事実績を証明する必要があるため、
 必要年数の翌年の最初の月分の工事を記載し、確認書類(契約書、注文書、請求書、内訳書等)が必要です。

2.通年にわたり建設工事の経験がない場合

・一件工事毎に積み上げて記入します。
※実務経験の積み上げは片落ち計算となります。
 例:工事の工期 が、平成15年4月~8月の場合、積上げる経験期間は、4カ月です。
■全ての工事の(片落とした)経験期間を積み上げて、必要な経験年数にする必要があるため、
 この場合10年分を積み上げるには、多くの工事実績が必要となります。
 そのため、実務経験を証明するには、非常に多くの工事の確認書類が必要になります。

3.資格+実務経験の場合

・資格取得後の工事のみが実務経験として認めることができます。

・実務経験証明書の記載は、上記1.通年にわたり建設工事の経験がある場合、2.通年にわたり建設工事の経験がない場合と同じです。

実務経験証明書の記載と工事実績の確認書類の例

通年にわたり建設工事の経験がある場合

実務経験証明書の記載例

塗装工事業の10年以上の実務経験を証明する場合の例を示します。

下記の記載例のようにすると、実務経験期間は、満10年を積み上げることとなります。

職名実務経験の内容実務経験年数
工事部長Bビル 外壁塗装工事 他10件平成10年4月から 平成11年3月まで
工事部長C邸 外壁塗装工事 他12件平成11年4月から 平成12年3月まで
工事部長Dビル 外壁塗装工事 他11件平成12年4月から 平成13年3月まで
工事部長Eビル 外壁塗装工事 他13件平成13年4月から 平成14年3月まで
工事部長Fマンション 外壁塗装工事 他16件平成14年4月から 平成15年3月まで
工事部長Gビル 外壁塗装工事 他18件平成15年4月から 平成16年3月まで
工事部長H邸外壁塗装工事 他20件平成16年4月から 平成17年3月まで
工事部長Iビル 外壁塗装工事 他22件平成17年4月から 平成18年3月まで
取締役Jマンション 外壁塗装工事 他23件平成18年4月から 平成19年3月まで
取締役Kマンション 外壁塗装工事 他25件平成19年4月から 平成20年3月まで
取締役L邸 外壁塗装工事平成20年4月から 平成20年4月まで

11行目の「平成20年4月の工事」を記載し、確認書類を用意しておくことが重要です。

平成10年4月から平成20年3月までの10年間の経験を証明したいのですが、
上記の10行目の「平成20年3月」の工事を終期の工事とすると、始期から終期までの期間が1日足りなくなると、片落ち計算となり、積上げた経験期間は、9年11カ月となってしまいます。
そのため、平成20年4月の工事を終期とし、確実に満10年を積み上げるようにしなければなりません。

確認書類

経験期間確認書類
平成10年4月から 平成11年3月まで・A邸外壁装塗装工事の請求書等
 平成10年4月 (始期の工事)
・Bビル外装塗装工事の請求書等
 平成11年2月(請求月)
平成11年4月から 平成12年3月まで・C邸外壁塗装工事の請求書
 平成12年1月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成12年4月から 平成13年3月まで・Dビル外壁塗装工事の請求書
 平成12年12月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成13年4月から 平成14年3月まで・Eビル外壁塗装工事の請求書
 平成13年11月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成14年4月から 平成15年3月まで・Fマンション外壁塗装工事の請求書
 平成14年10月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成15年4月から 平成16年3月まで・Gビル外壁塗装工事の請求書
 平成15年9月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成16年4月から 平成17年3月まで・H邸外壁塗装工事の請求書
 平成16年8月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成17年4月から 平成18年3月まで・Iビル外壁塗装工事の請求書
 平成17年7月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成18年4月から 平成19年3月まで・Jマンション外壁塗装工事の請求書
 平成18年6月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成19年4月から 平成20年3月まで・Kマンション外壁塗装工事の請求書
 平成19年5月(請求月)(間隔1年未満の工事)
平成20年4月から 平成20年4月まで・Lビル外壁塗装工事の請求書
 平成20年4月(請求月)(間隔1年未満の工事)(終期の工事)

実務経験の証明者が複数に及ぶ場合

実務経験証明書(様式第9号)は、証明者毎に記載する必要があります。

実務経験を証明する期間は、各実務経験証明書で示す経験年数を合算した期間(年月数)となります。