経営事項審査『社会性』CPD単位取得数と技能レベル向上数

経営事項審査の『その他の審査項目(社会性等)』に、CPD単位取得数 と 技能レベル向上者数 があります。
※CPD:技術者継続学習(CPD:Continuing Professional Development)

5つの数値を記入する枠があり、その数値と審査項目との関係は以下のようになります。

5つの数字の記載基準と必要書類

CPD単位数(A)

審査基準日以前1年間に技術者が取得したCPD単位か下記計算式で算出した数(各技術者につき上限30単位、端数切捨て)を記載します。
1人の技術者につき2以上のCPD認定団体の単位修得が認定されている場合は、いずれか1つをCPD単位取得数とします。

審査対象年(審査基準日以前1間)にCPD認定団体によって修得を認定された単位数÷告示別表第18の左欄に掲げるCPD認定団体毎に右欄に掲げる数値×30

告示別表第18

例えば、公益社団法人空気調和・衛生工学会の講習では、50単位取得で満点の30点となり、60単位取得しても30点です。25単位だと15点です。また、一般財団法人建設業振興基金の講習では、12単位取得で満点の30点となり、4単位の場合は10点です。

CPD単位数に1以上で記載する場合、各技術者が取得したCPD単位が明記されている受講等証明書(CPD認定団体発行)の写しを提出しなければなりません。

技術者数(B)

別紙二(技術職員名簿)と様式第4号(CPD単位を取得した技術者名簿)に記載した合計人数を記載します。
※CPD単位取得者がいない場合は、別紙二(技術職員名簿)に記載の人数です。
対象となるのは、主任技術者、監理技術者、一級技士補・二級技士補で、審査基準日以前6か月を超える恒常的雇用関係及び常時雇用されている方 (法人の役員及び個人の事業主を含む)です。

様式第4号(CPD単位を取得した技術者名簿)は、別紙二(技術職員名簿)に記載していない技術者でCPD単位取得した方がいる場合に提出する書類です。


この様式第4号の下部にあるCPD単位は、上項のCPD単位数(A)の計算式で算出した数値です。

技能レベル向上者人数(C)

認定能力評価基準により受けた評価が審査基準日以前3年間1以上レベルが向上(レベル1からレベル2等)した人数を記載します。

※様式第5号(技能者名簿)の「レベル向上の有無」欄に〇を記載した人の数です。

認定能力評価基準による評価を受けていない場合は、レベル1として審査するため、初めて評価を受けレベル2以上に認定された者もレベル向上者数に含まれます。

レベル向上前の結果通知書と向上後の結果通知書の写しを提出しなければなりません。

技能者数(D)

審査基準日以前3年間に、建設工事の施工に従事した(作業員名簿に記載されている)人数を記載します。
ただし、監理技術者や主任技術者として管理に係る業務のみに従事する方は対象となりません。
※様式第5号(技能者名簿)に記載した人の数です。

審査基準日以前3年以内に行われた工事に関する施工体制台帳等のうち作業員名簿(建設工事従事者に関する事項)の写しを提出しなければなりません。

技術者と技能者の区別

技術者(B)と技能者(D)のいずれの定義にも当てはまる方は、技術者と技能者の両方で評価されるため、重複計上可能です。

雇用職員役割主任技術者等の資格技術者/技能者としてカウント
施工管理のみあり技術者のみ
施工に従事(施工管理なし)あり技術者・技能者の両方
施工に従事なし技能者のみ

職員(乙)は、技術者としても、技能者としても評価対象となります。

控除対象者数(E)

審査基準日の3年前の日以前にレベル4の評価を受けていた人数を記載します。
※様式第5号(技能者名簿)の「控除対象」欄に〇を記載した人の数です。

能力評価(レベル判定)結果通知書の写しを提出しなければなりません。

各項目の対象者共通の条件

各項目とも、法人の役員及び個人の事業主も対象となります。
各項目で計上の全員は、審査基準日以前6か月を超える恒常的雇用関係及び常時雇用されていなければなりません。
恒常的雇用関係を証明する書類(標準報酬決定通知書・健康保険証、賃金台帳など)を提出が必要です。

評定値(W1)への加点

上記の数値から算出される「技術者のCPD単位取得数」と「技能者の中の技能レベル向上者数」は、
『建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1ー⑧)』の評点に加算されます。

この評点は、かなり複雑で、下記の2つの計算式から算出された数値①②を足した点を基に加点されます。

技術者1人当たりのCPD取得単位数
 (技術者/(技術者+技能者))×(CPD単位取得数/技術者)
 ※(CPD単位取得数/技術者)は、算出した値を下記表の点数に換算して適用

技術者1人当たりのCPD取得単位数
(CPD単位取得数/技術者)
点数
3未満0
3以上6未満1
6以上9未満2
9以上12未満3
12以上15未満4
15以上18未満5
18以上21未満6
21以上24未満7
24以上27未満8
27以上30未満9
3010


1以上レベルアップした技能者
 (技能者/(技術者+技能者))×(技能レベル向上者数/(技能者-控除対象者数)) 
※((技能レベル向上者数/(技能者-控除対象者数))は、算出した値を下記表の点数に換算して適用

1以上レベルアップした技能者
(技能レベル向上者数/(技能者-控除対象者数))
点数
1.5%未満0
1.5%以上3%未満1
3%以上4.5%未満2
4.5%以上6%未満3
6%以上7.5%未満4
7.5%以上9%未満5
9%以上10.5%未満6
10.5%以上12%未満7
12%以上13.5%未満8
13.5%以上15%未満9
15%以上10

●数値①②を足した点に適用されつ点数

①②の合計点加点される評点
1010
9以上10未満9
8以上9未満8
7以上8未満7
6以上7未満6
5以上6未満5
4以上5未満4
3以上4未満3
2以上3未満2
1以上2未満1
1未満0