機械設置工事は、業種判断が難しい工事の一つです。

機械の設置は、機械器具設置と思いがちですが、機械の種類によっては、電気工事や管工事の場合や、とび・土工・コンクリート工事の場合があります。

機械器具設置工事

機械器具設置工事は、
①機械器具の組立て等により工作物を建設する工事
②工作物に機械器具を取付ける工事
の2種類があります。

例として挙げられている工事としては、
「プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設備工事、立体駐車設備工事」があります。

「プラント設備工事」や「立体駐車設備工事」は、上記の①機械器具の組立て等により工作物を建設する工事に該当し、
「運搬機器設置工事」は、上記の②工作物に機械器具を取付ける工事に該当し、工場のホイストクレーンやビルのエレベーターなどが運搬機器の例にあたります。

特に「②工作物に機械器具を取付ける工事」に該当するかどうかは、判断が難しいところです。

とび・土工・コンクリート工事

とび・土工・コンクリート工事は、
・足場の組立、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て
・くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事
・土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
・コンクリートにより工作物を築造する工事
・その他基礎的ないしは準備的工事
です。

『足場の組立、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て』の例として、「とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事」があり、
『その他基礎的ないしは準備的工事』の例として、「地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工 事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事」があります。

この中の「機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置」や「アンカー工事」が、機械器具設置工事が該当する場合があります。

機械の設置工事の業種判断は?

機械の設置工事というと、機械器具設置工事だと思いがちですが、全ての機械設置工事が、機械器具設置工事にあたるとは限りません。

機械の種類、例えば、発電設備の設置は電気工事、冷暖房設備の設置工事は管工事です。

また、移動式クレーン等を使って機械の楊重運搬配置を行う作業や機械を地面にアンカー固定する工事は、とび・土工・コンクリート工事です。

つまり、以下の工事が、機械器具設置工事と判断できます。
電気工事、管工事等の他の専門工事に該当しない機械器具の設置
工事現場で組立が必要な機械の設置(完成した機械の楊重運搬やアンカー固定ではない)