審査基準日が令和7年3月31日以降(単独決算に限る)で、令和7年7月1日以降の経営状況分析の申請から、資本性借入金を自己資本に組み入れることができます。
資本性借入金とは
金融機関が皆様の財務状況等を判断するに当たって、負債ではなく、資本とみなすできる借入金のことです。
「資本性借入金」活用のメリット
①資金繰りが改善されます | ・長期の「期限一括償還」が基本であり、資金繰りが楽になります ・業績連動型の金利設定が基本であり、業況悪化時は金利が低くなります |
②金融機関から新規融資が受けやすくなります | ・「資本性借入金」を資本とみなすことで、財務内容が改善され、新規融資が受けやすくなります |
東日本大震災や急激な円高の進行等により、資本不足に直面しているが、将来性があり、経営改善の見通しがある企業の活用が期待されます
「資本性借入金」とみなす場合の条件
●償還条件:5年超
●金利設定:「事務コスト相当の金利」の設定も可能
●劣後性 :必ずしも「担保の解除」は要しない
「資本性借入金」とみなして取り扱うことが可能なものと考えられる制度
・挑戦支援資本強化特例制度(日本政策金融公庫)
・新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付制度(日本政策金融公庫)
・中小企業活性化協議会版「資本的借入金」
・中小企業活性化協議会版「資本的借入金」(新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付制度協調型)
・災害対応型劣後ローン(日本政策金融公庫)
・産業復興機構による既往債権の買取制度
・危機対応業務による中小・中堅・大企業向け劣後ローン(日本政策投資銀行・商工中金)
・株式会社東日本大震災事業者再生支援機構による既往債権の買取制度
・農林漁業経営資本強化資金
経営事項審査での取り扱い
資本性借入金の要件
貸出主が金融機関(政府系含む)又は『産業復興機構による既往債権の買取制度』等の制度の借入
■償還条件
・償還期間が5年超
・期限一括償還
■金利設定
・配当可能利益に応じた金利設定
※業績連動型が原則
債務者が厳しい状況にある期間は、これに応じて金利負担が抑えられるような仕組みが
講じられていること
■劣後性
・法的破綻時の劣後性が確保されていること又は、少なくとも法的破綻に至るまでの間において、
他の債権に先んじて回収されない仕組みが備わっていること
※残存期間が5年未満となった負債については、1年毎に20%ずつ自己資本とみなす部分を逓減します
対象となる審査項目
資本性借入金のうち自己資本と認められる金額は「負債」から控除し、「自己資本」に加算する。
・負債回転期間(負債から控除) → Y点(x2)が、Up
・自己資本対固定資産比率(自己資本に加算) → Y点(x5)が、Up
・自己資本比率(自己資本に加算) → Y点(x6)が、Up
・X₂₁自己資本(自己資本に加算) → X2点が、Up
申請方法
1.事前準備
公認会計士等から指定様式において資本性借入金に該当する借入金であること等の証明をうける
※公認会計士等:
登録経理試験の一級試験に合格した者、登録経理講習の一級講習を受講した者
公認会計士・税理士・建設業経理士1級
2.登録経営状況分析機関への提出
経営状況分析申請において、余白に資本性借入金のうち自己資本と認められる金額を記載した
経営状況分析申請書等とともに、証明書の写し・契約書の写し等を登録経営状況分析機関に提出する
3.審査行政庁への提出
経営規模等評価申請書の自己資本額において、資本性借入金のうち自己資本と認められる金額を
加算した自己資本額を記載し、証明書の写しを添付して審査行政庁に申請する
資本性借入金該当証明書(様式)
